4月1日(第12日)
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■決勝 <大阪桐蔭8-3履正社>
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史上初となる大阪勢同士の決勝が行われ、大阪桐蔭が4本の本塁打などで履正社を8―3で下し、5年ぶり2度目の優勝を果たした。
藤原の先頭打者本塁打で先制すると、2回には坂乃下のソロ本塁打で加点。6回には再び藤原が「1本目に確信はなかったけど、2本目は完璧だった」というソロ本塁打を放ち、リードを広げた。
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↑1回表大阪桐蔭、藤原は右越えに先頭打者本塁打を放つ
8回に先発・徳山が4長短打を浴びて追いつかれたが、9回に代打・西島の2ランなどで5点を挙げて勝ち越しに成功。春夏通算50勝に花を添えた。
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↑9回、勝ち越し2ランを放った大阪桐蔭・西島(左)を出迎え祝福する西谷監督
◇大阪桐蔭・徳山壮磨(そうま)投手(3年)
初回からフルスロットルだった。1回、味方が1点を先制したその裏。スライダーで2者連続三振を奪うと、迎えたのは昨秋の大阪大会準決勝で本塁打された安田。3ボール2ストライクとなり、「(チームに)勢いつけたろ」と外角いっぱいの直球で、狙い通りに見逃し三振。ポーンとグラブをたたき、ベンチに小走りで戻った。
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↑甲子園では1回戦から攻めの投球を貫き絶対的エースになった徳山
2月に正捕手・岩本がけがで離脱。それは自身にとっても最大の危機だった。「リードで引っ張ってくれていた。すごいショックだった」。しかし、ピンチは自覚を促した。「勝っていくためには絶対的な存在が必要。それにふさわしいエースになる」。秋に履正社打線に打ち込まれた反省から、制球力を磨いた。甲子園では1回戦から攻めの投球を貫いてきた。
8回、制球が甘くなり追いつかれたが、「動揺は無かった」。逆転は許さなかった。「秋の悔しさを晴らした。どんな場面でも気持ちで向かっていける。自分でも驚くくらい成長した」。屈辱と危機を乗り越え、「絶対的エース」になった右腕の顔が光り輝いた。

◇大阪桐蔭・根尾昂(あきら)投手・内野手・外野手(2年)

大阪桐蔭の優勝の瞬間をマウンドで迎えたのは根尾だった。この日は先発を外れ、代打で途中出場。九回にエース徳山を救援した。
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↑9回裏履正社1死一、二塁、石田を内野ゴロで併殺に打ち取り、声を上げる大阪桐蔭の根尾
 「体のバランスが悪く、思った通りに投げられなかった」と2四球を与えて1死一、二塁のピンチを招いたものの、最後は捕手のサインに首を振ってまで投げたスライダーで遊ゴロ併殺にしとめた。優勝投手となったものの、「勝てたのは徳山さんのお陰」と謙遜。「レベルアップしないと」と上を見た。

◇福井章吾(3年)主将 ◇岩本久重(3年)
9回裏、最後の打者を併殺に打ち取ると、大阪桐蔭の捕手で主将の福井(3年)は右腕を突き上げ、マウンドへ駆け寄った。「全員が一丸となったから勝てた」。今大会全5試合でマスクをかぶり続けた背番号3は、歓喜の輪の中で泣きじゃくった。三塁側ベンチでは、記録員の岩本久重(ひさしげ)(3年)も右腕を突き出して喜んだ。福井はベンチに戻ると岩本の元へ。「二人三脚でやってきた」と福井君。2人は抱き合い、頂点に立った喜びを分かち合った。
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↑大阪桐蔭の福井章吾(右)主将と本来の正捕手・記録員の岩本久重(左)
正捕手だった岩本は大会直前の練習で左の手のひらを骨折。西谷浩一監督は代わりの捕手に内野手の福井を指名した。入学当初は捕手だった福井だが、強肩の岩本の台頭で昨春から内野や外野を守るようになっていた。突然舞い込んだ大役。福井は「久重が出場できない悔しさは痛いほど分かる」と、捕球後の送球を早くする練習を重ねるなど、岩本が抜けた穴を埋めようとした。
夢だった捕手としての甲子園でのプレーが遠のいた岩本は一人で涙したが、「チームのブレーンになろう」と切り替えた。対戦相手の映像を深夜まで見て、相手選手ひとりずつのデータを作り、全員に説明した。西谷監督は「岩本と福井の2人でマスクをかぶっているみたい」と話した。チームを襲ったアクシデントは、大きな一体感をもたらした。岩本は「夏に向けて、早く日本一のチームに加わりたい」。福井は、岩本が復帰すれば正捕手の座を返すつもりだ。「最高の形で夏へのバトンを渡すことができる」と、紫紺の大優勝旗を強く握りしめた。

◇西谷浩一監督

大阪桐蔭が大会史上初の大阪対決を制し、5年ぶり2度目の選抜優勝。西谷浩一監督は「バッテリーの勝利だと思います」と選手をたたえた。
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↑選手一人一人と握手する大阪桐蔭・西谷浩一監督
8回に同点に追いつかれ「ホームランを打てるチームではないが、3本のホームランが出て、このままいきたいという気持ちがあったが…。やはり履正社さんはバッティングいいですからそう甘くはなかった」と指揮官。流れを変えたのは継投。9回に先発の徳山に代え、代打に西島を送った。「徳山が本当に頑張っていたので、相手のエースより先に代えるということはしたくなかったが、今日は後半勝負になると思って、後ろにも(投手を)置いていた。西島も自信をもってこっちを見ていた。ナイスホームラン」と選手を信頼した全員野球が勝因と胸を張った。
5年ぶり2度目の選抜優勝。「春の日本一を目指して、ずっと叱りながらやってきて、春の頂点を取ることができた。今日は勝たせてもらいましたけど、履正社さんに勝ち、大阪にはたくさんいい学校があって、そういう学校に勝たないと、夏ここに戻ってこられない。明日からもう一度夏の山に登りたい」と夏を見据えた。
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◇安田尚憲(3年)内野手
「頭が真っ白になりました」。試合終了の瞬間、履正社の3番・安田はベンチでヘルメットをかぶったまま、ぼうぜんとグラウンドを見つめた。
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↑8回裏履正社2死一塁、安田が左前打を放つ
1回は内外角を厳しく攻められ、一度も振らずに見逃し三振。無安打のまま、「何とか1本出そう」と迎えた八回2死一塁。フルカウントから左前にはじき返し、同点につながるお膳立てをした。ただ、「あの回に勝ち越せなかったのが大阪桐蔭との差」と大会屈指のスラッガーは悔しがる。自室の天井とドアに自ら書いた目標「日本一」にあと一歩届かず、「今度は、やり返します」

◇履正社・竹田祐(3年)投手
追いついた直後の9回。代打・西島に2点本塁打を浴びると、手をひざに置いた。その場面について問われると「覚えてません」。うなだれた記憶がない。あるのは悔しさだけ。「同点にしてくれたのだから粘って投げてゼロで抑えないと」ブルペンでは調子が良かった。だが、マウンドに上がってみるとバランスが悪い。球は伸びを欠き、切れも出ない。1回、藤原に先頭打者本塁打を浴びると、さらに投げ急いでしまった。
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↑9回履正社・竹田祐は大阪桐蔭・西島一波に勝ち越し2ランを許す
「強力打線なので回の先頭をしっかり取りたい」。それが優勝を呼び込む投球の鍵だと考えていた。しかし、8失点のうち7点は先頭に打たれたことに起因する。バランスの悪さをただそうと3回からは走者がいなくてもセットポジションでの投球に変えたが、修正は難しかった。
大阪桐蔭から徒歩5分ほどのところに自宅がある。小さいころから同校に最強のイメージを抱いて育った。だからこそ「倒したい」と履正社を選んだ。1回戦から準々決勝まで先発した3試合は完投し、エースの責務を果たした。しかし最後の最後で投げきれず、春は終わった。悔しさだけが募る144球になった。
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