3月30日(第11日)
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■準決勝
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<第1
試合:履正社6-4報徳学園

<第2試合:大阪桐蔭2-1秀岳館



<第1試合:履正社(大阪)6-4報徳学園(兵庫)>
履正社が3年ぶり決勝進出! 九回一挙4点で勇退の報徳学園・永田監督との関西対決制す!
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↑1回表2死自身通算50号の右越え本塁打を放った安田
ドラフト候補安田尚憲内野手(3年)が通算50号となる先制弾を放つなど勢いに乗って、決勝に挑む。
豪快な幕開けだった。報徳学園(兵庫)西垣雅矢投手(3年)のストレートをとらえて、右翼席へ。甲子園で放った通算50号に「やっと出ました。昨日から積極的に打った結果がつながった」とほっとした様子も見せた。岡田龍生監督(55)の「甲子園で1本打たせてやりたかった」という願い通りの結果となった。
別れは、一瞬にして訪れた。勝利目前の9回表に4失点で逆転を許し、迎えた最後の攻撃。今大会で勇退する報徳学園・永田裕治監督(53)はベンチで最後のゲキを飛ばした。「奇跡を起こそうや」。すると1点を返し、なお1死一、三塁。逆転の報徳―そんな期待が高まった矢先、2番・永山裕真(3年)の痛烈な打球は無情にも二ゴロ併殺打。指揮官は固く組んだ腕をゆっくりほどき、敗北を受け入れた。
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↑履正社に敗れ甲子園に一礼する永田裕治監督は今大会で勇退
「ただただ感動です。すばらしい子供たちに囲まれて幸せです」と指揮官は選手の奮闘をたたえた。今年のチームは当初、甲子園ではなく県大会出場を目標にするほど力不足だった。それでも機動力を生かしたチームをつくり上げると、選手たちは監督の花道を飾ろうと奮起。「こつこつと走り回って、(甲子園を)自分の庭のように…。こんなに楽しく采配させてもらったのは初めて」と目を潤ませた。
1994年の就任以後、「全員野球」を掲げ、希望者は誰でも入部可能。さらに「報徳はプロ養成所じゃない」とレギュラー、ベンチ外を区別せず全員で練習する、強豪としては異例のスタイルを貫いた。今後は教え子の大角健二部長(36)に監督の座を譲る。2002年以来の優勝には届かなかったが、大満足のベスト4。「甲子園はこの年になっても、最高の場所ですね」と最後は晴れやかな表情を浮かべた
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↑スタンドで声援を送った報徳学園・永田監督の妻・和美さん(右)と長女・智紗子さん
試合は3回裏に2-2の同点に追いつかれ、6回裏に勝ち越される苦しい展開。3回途中から西垣に変わった池上颯投手(3年)を打ち崩すことが出来ず最終回に。履正社ベンチは全く諦めていなかった。代打白瀧恵汰内野手(2年)の二塁打から一挙4得点。9回裏に追いすがる報徳学園を振り切った。
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↑報徳学園・永田監督(左)にあいさつする大阪桐蔭・西谷監督
センバツ初優勝まであと1勝。安田は「日本一以外何もない。この大会通じて最後まで粘って、粘って成長できたんじゃないかなと思います」。決勝も粘りの履正社野球で必勝だ。
<第2試合:大阪桐蔭(大阪)2-1秀岳館(熊本)>
大阪桐蔭が5年ぶり決勝進出!エース徳山が2戦連続完投で秀岳館振り切る!
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↑大阪桐蔭エース徳山は勝利の瞬間ガッツポーズ
大阪桐蔭(大阪)が3季連続ベスト4の秀岳館(熊本)との接戦を制し、5年ぶりの決勝進出を果たすとともに、履正社と史上初の大阪勢同士による決勝対決が実現することになった。同県同士の決勝対決は1972年の日大桜丘-日大三(ともに東京)戦以来45年ぶり、史上5度目となる。
先攻の大阪桐蔭は六回、先頭の宮崎仁斗外野手(2年)がこの日2本目となる左線への二塁打で出て、2死三塁から山田健太内野手(2年)の右前適時打で先制点を挙げた。八回は1死二塁から山田が左中間へ適時二塁打を放ち2点目。
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↑6回右前へ先制打を放つ大阪桐蔭・山田健太
後攻の秀岳館は0-2の八回1死三塁から木本凌雅内野手(3年)の左前適時打で1点。大阪桐蔭はエース右腕の徳山壮磨投手(3年)が完投で秀岳館打線を最少失点に抑えた。決勝では藤浪晋太郎投手(現阪神)らを擁して春夏連覇を果たした2012年以来となる、5年ぶりの選抜優勝を目指す。
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↑秀岳館の先発・田浦
昨年の春、夏に続き3度、ベスト4で敗れた秀岳館の鍛治舎巧監督は「7回のチャンスで打てなかったのが痛かった」と1死一、三塁の好機を生かせなかったことを悔やんだ。
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↑大阪桐蔭に敗れた秀岳館の選手たちはグラウンドに一礼する

これで昨年春、夏に続き3大会連続でベスト4で敗れた。「春は試金石なので、これを夏につなげたい」と夏に厚い壁を突破することを誓っていた。