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軟式の松井も怪物だった。
第59回全国高校軟式野球選手権大会決勝で、中京(岐阜)が三浦学苑(神奈川)を下し、2年ぶり7度目の優勝を飾った。延長46回から再開された崇徳(広島)との4日がかりの準決勝は、同50回に後藤敦也主将(3年)の決勝打などで3-0で決着がついた。50回を完封したエース・松井大河投手(同)は、さらに決勝の4回途中から無失点救援。計1047球を投げて防御率0・12の驚異的な数字で胴上げ投手に輝いた。
★優勝を決め、跳び上がって喜ぶ中京の投手・松井大河
名門に2年ぶりの優勝を運んだ171センチ、67キロの鉄腕、松井が青空に両腕を突き上げた。甲子園大会決勝の日に始まったドラマは、最高の歓喜で完結だ。8月25日の1回戦河南(大阪)戦から7日で4試合、75回2/3を投げ、失点、自責はわずか1。1047球を投げ抜いての頂点だ。
「チームのみんなが『頑張れ!!』と言ってくれた。応援してくれるスタンドの声も聞こえた。幸せな時間でした」
圧巻は終盤だった。6回に相手の暴投で1点を先制し、7回は自身の投ゴロで2点目を奪った。8回以降は「残っている体力のすべてを使いました」と6者連続三振で優勝を決めた。
午前中、もう1つの大役を果たしていた。28日から始まった準決勝崇徳戦は0-0のまま、4日目に突入。30日夜はカチカチになった腰、臀部(でんぶ)を船坂武士トレーナー(29)にマッサージしてもらい、はり、電気で張りをやわらげた。
「こんなに張るのは、下半身をしっかり使って投げられているから」と自分を励まし、午前9時2分に延長46回から始まった一戦へ。5日連続のマウンド。先攻で、サヨナラ負けの危機と戦い続けた試合。平中亮太監督(33)が「これ以上頑張れとは言えない。ただ、もう1回ベンチに戻って来い、と祈るばかりでした」と明かした死闘だった。
午前10時2分のゲームセットの約2時間半後。午後0時半から始まった決勝の4回1死二、三塁で、今度は救援登板。5回2/3を1安打だけに締め、Vを呼んだ。
祖母勝子さん(72)が作る豚丼が好物で、体も気持ちも強靱(きょうじん)に育った。尊敬する広島前田のように、存在すべてで味方を励まし、優勝旗へと導いた。「できれば大学で野球を続けたい」と夢を語って日本一の8月を終えた。体は小さくても、松井は大エースだった。
★閉会式で優勝旗を受け取る中京の後藤敦也主将
【★延長50回を制した中京が優勝!★ 中京・松井大河 4戦で1047球の熱投!】の続きを読む